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新鮮でおいしい釜揚げしらすを有限会社 MARUTA
相澤 太さん名取市閖上(ゆりあげ)の海では、東日本大震災後、しらす漁が解禁になりました。近海で新鮮なしらすを水揚げできると、しらすを使った物産品や料理が続々登場。有限会社 MARUTAでは、釜揚げしらすを年間80トン生産しています。さらに2020年には、しらすを使った洋食が味わえる「café malta」をオープン。しらすに対する想いと今後の展望をお話いただきました。
―有限会社MARUTAでつくっているのはどんな商品ですか?
メインは、釜揚げしらすです。閖上(ゆりあげ)港をはじめとする近隣の港であがったしらすを使用し、天日塩でやわらかな味わいに仕上げています。
釜揚げしらすは、茹でたしらすに塩味を付ける、シンプルな調理法ですが、その分、とても奥が深い。塩加減としらすの鮮度が重要で、これくらいの量の塩を合わせれば絶対においしい、というのはないんです。気温や天候、しらすの状態によって、いつも微妙に塩加減を変えています。「MARUTAのしらすは味が絶妙」とほめていただけることも多く、努力が実っているなと感じます。 -
ほかにも、日本一の味わいと言われる、閖上産の赤貝を使った「赤貝の塩漬」や、国産の「本からすみ」、仙台や名取の沿岸部で昔から作られてきた「真ガレイの一夜干し」などをつくっています。
最近は、気候変動が激しく、昔とれた魚が今ぜんぜん取れないということがままあります。逆に、最近よくとれるようになった魚もいろいろあります。どんなに変わろうと、私たちは閖上の海のそばで生きています。この近海でとれる魚介の特徴を生かしながら、常に挑戦と発信を続けていきたいと思っています。 -
―2020年に「café malta」をオープンしました。どんなカフェですか?
閖上のしらすをたくさん食べていただきたいと思ってオープンしました。看板は、しらすを好きなだけのせられる「しらすの追い放題」です。しらすと言うと、お刺身や海鮮丼のイメージですが、ピザやパスタなど洋食にもマッチするんです。トマトソースに合わせると、赤と白で見た目もきれいですしね。実際にメニューを開発してみて、私自身、これは名脇役だなと驚きました。
―どんなお客さまが多いですか?
老若男女問わず来ていただいています。しらすは幼児食にも使われる食材なので、小さなお子さまがいるファミリー層にもご好評いただいています。
オープンしてからいろいろなメディアに取り上げていただいたこともあり、有難いことに3年間で1万人くらいの方に来ていただきました。名取の新たな名物として、たくさんの方に知っていただく機会になったかなと思います。 -
―名取の食材の魅力はどんなところだと思いますか?
名取には、赤貝やしらすなど、全国に誇れる食材がたくさんあります。築地で閖上の赤貝は最高級品として売られていますし、オバマ大統領が訪れた寿司店でも使われているそうです。自信を持って皆さんにお勧めできる食材なのに、なかなか目立たない。まずは地域の人に知っていただき、それから全国に向けて発信していきたい。私は生まれも育ちも閖上です。自分が感じているこの地域の魅力を、発信し続けたいと思っています。