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名取のカーネーションを全国へ
菅井園芸
菅井啓貴さん名取市はカーネーションの栽培が盛ん。車を走らせると、あちこちでカーネーションのハウスを見ることができます。1940年ごろから始まったカーネーションの栽培は、いまや東北一の規模に。カーネーションに対する想いや今後の意気込みを、菅井園芸の菅井啓貴さんに伺いました。
―カーネーションに携わった経緯を教えてください。
父がやっていたカーネーションの畑を手伝うかたちで、27歳の時に就農しました。私の家は父がカーネーションをやり始めたので、私で2代目になります。
跡を継ごうと決めたのは24歳のときで、外のやり方を学ぶためにアメリカに研修に行きました。当時はまだ若かったですが、貴重な経験だったと思います。
―名取市のカーネーションの特徴はなんですか?
私自身は、基本的な作業をしっかりやって、ひとつの苗からいかに多く花を摘むか、いかに丈夫な花にするかを意識しています。その時その時のお天道さまの様子に合わせて、カーネーションの様子を見ながら対応することを大事にしています。どのカーネーション農家さんも努力してらっしゃいますので、ふるさと納税などでは「名取のカーネーションは持ちがいい」と言っていただくことが多いですね。
カーネーションは色も形もさまざまな品種がたくさん作られています。毎年新しくチャレンジする品種をつくっているので、さまざまな種類を皆さんにお見せできるのもうちの強みかなと思います。 -
―レインボーカーネーションをつくっていると聞きました。どんなカーネーションですか?
農福連携の事業として、名取市の福祉事業所と一緒に作っている7色のカーネーションです。白いカーネーションにカラフルな液剤を吸わせてつくっています。もともとは、カーネーションに何か付加価値をつけたいと考えて始めた取り組みなのですが、消費者の方だけでなく、福祉施設の方も喜んで参加してくださるようになったので、今後も長く続けていきたいと思っています。
ここ数年は、地元の学校の卒業式にレインボーカーネーションをプレゼントしています。自分の地元でこんなものをつくっているんだと知ってもらえる機会になったらと思っています。
―カーネーションをどんなふうに楽しんでもらいたいですか?
家に花があるとやっぱり雰囲気が明るくなるので、やはり長く飾って楽しんでほしいですね。
名取のカーネーションを買ってくださる方は、昔名取に住んでいたという方や、知り合いが住んでいる、仕事で来ていたなど、もともと名取に縁のある方が多いです。カーネーションを飾ることが、名取にいたころのことを思い出すきっかけになったらと思っています。