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なとり、愛して。

  • 子どもの遊び場を守る一般社団法人プレーワーカーズ
    代表理事 須永 力さん

    「子どもにとって遊びは生活そのもの。子どもから生活を守るため、大人は何ができるのか。そういうメッセージを発信するために、この場を運営しているんです」と話す一般社団法人プレーワーカーズの須永さん。子どもが遊び育つ社会を実現するために尽力するプレーワーカーズの取り組みをご紹介します。


    ―この取り組みを始めたきっかけを教えてください。

    1990年から30年以上、子どもの遊び場づくりに取り組んでいます。東北で活動を始めたのは、東日本大震災のあと。被災地で子どもの遊べる場が失われているという話を聞き、気仙沼に「気仙沼あそびーばー」という場をつくったり、プレイカーで各地を回り、出張遊び場をつくったりするという取り組みを始めました。一般社団法人プレーワーカーズを設立したのは2016年。名取市で、一軒家を開放した子どもの居場所「〇〇(まるまる)」を開設したのが、2017年です。
    「〇〇(まるまる)」には、主に近所の学区の子たちが遊びにくることが多いですね。放課後に自転車で来て、おしゃべりしたり走ったり歌ったりしています。
    ここは私と妻、スタッフ2名で管理しています。子どもとの距離感や関係性のバランスを取りながら、子どもの意思に干渉しないような見守りを意識しています。

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    ―「〇〇(まるまる)」では、子どもたちがどんなふうに過ごしてほしいと考えていますか。

    子どもたちにこんな遊びをしてほしいというのは、ないんです。とにかく「自由な遊び場」でありたいと思っています。やらなきゃいけないとか、こうしなきゃいけないとかがなく、和室でのんびりするのも、外でザリガニを触るのでもいい。自分で選んで、自分の意思で遊べる「場」を提供するのが大切だと思っています。

    子どもにとって、「遊び」は「生活」であり、生きることそのものです。子どもから遊びを取り上げることは、息をするなと言っているようなものだと思っています。子どもにはこういう場が必要だというメッセージを発信する場として、この場所をつくっています。

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    ―遊び場に対して、地域の方からはどういう反応がありますか?

    すごくあたたかいなと思います。この一軒家とお庭を貸してくださっている大家さんは、私たちの取り組みを理解して支えてくださいますし、近所にお住まいの方もあたたかく見守ってくださいます。隣のご夫婦は「子どもの声が聞こえると元気が出るよ」と言ってくれますし、畑で芋ほりを体験させてくれたり、野菜を持ってきてくれたりしています。

    公園や保育園をつくることに反対運動があるような地域もある中で、名取の環境はほんとうに恵まれているなと思いますね。

    名取市には家族で移住してきて、3人の子どももここで育っているのですが、子育てを通してこの地域がより大好きになりました。なんというか、視線がおおらかなんですね。地区民運動会も子どもも大人も生き生きと参加してますし、子どもを縛り付けない、優しい地域だなと思います。



    ―今後取り組んでみたいことや、展望はありますか?

    こういう遊び場を名取市や宮城県全域、そして日本全国に広げることかなと思います。「〇〇(まるまる)」のような遊び場が、せめて各学区にひとつあるといいなと思うんですよね。あとは、私たちがこれからも継続して子どもたちと関わり続けること。「子どもにとって遊びは生きることと同じだ」というメッセージを発信し続けるとともに、子どもたちに「いろんな大人がいるんだな」と感じてもらう場であり続けたいと思っています。

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